一滴の水に見られる生物多様性

執筆:大田修平 作成日:2010年10月27日
 
一般の方々が思い描く生物多様性と,著者らのように藻類・原生生物の研究者が見ている生物多様性とは少し異なります。ここでは藻類・原生生物研究者が見ている世界の一部を紹介します。
 
 
 
 この2枚の写真はノルウェーのオスロのフィヨルドでプランクトンネットを引いた時のものです。ご覧のように一滴のプランクトンネットサンプルのなかに驚くべき多様性が秘められています。ざっと見渡しただけでもCeratiumu macrocerosC. triposC. furcaC. lineatumProrocentrum sp.,Protoperidinium sp.,Dinophysis sp.,Thalassiosira sp.,Dictyocha sp.などが見られます。粗培養(予備培養)処理(注)を行うと、上に挙げた種のほとんどは姿を消し,高倍率(400倍,1000倍)で観察する必要のある微小な原生生物(たとえば、ハプト藻,鞭毛虫,プラシノ藻の仲間など)が出現します。その中の多くは同定困難であることも多く,なかには未記載種(名前のついていない種)も含まれています。

注. 海水サンプルに液体培地を加えて,数日から数週間培養すること。

 
 

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