この2枚の写真はノルウェーのオスロのフィヨルドでプランクトンネットを引いた時のものです。ご覧のように一滴のプランクトンネットサンプルのなかに驚くべき多様性が秘められています。ざっと見渡しただけでもCeratiumu macroceros,C. tripos,C. furca,C. lineatum,Prorocentrum sp.,Protoperidinium sp.,Dinophysis sp.,Thalassiosira sp.,Dictyocha sp.などが見られます。粗培養(予備培養)処理(注)を行うと、上に挙げた種のほとんどは姿を消し,高倍率(400倍,1000倍)で観察する必要のある微小な原生生物(たとえば、ハプト藻,鞭毛虫,プラシノ藻の仲間など)が出現します。その中の多くは同定困難であることも多く,なかには未記載種(名前のついていない種)も含まれています。
注. 海水サンプルに液体培地を加えて,数日から数週間培養すること。 |