オオカナダモの葉の細胞の観察

はじめに
 オオカナダモは,南アメリカ原産の外来種です。大正時代に植物生理学の実験のために導入されたものが逃げ出し,現在では関東以南や東北地方の一部などに分布を広げています。特に琵琶湖では,在来種のクロモ等を駆逐している,異常繁殖して船の通航の妨げになる,大量に打ち上がり悪臭を発する,腐った草体が湖の底にたまって酸素が少なくなりシジミなどが死亡するなどの深刻な被害が報告されています。このため外来生物法では,要注意外来生物リストに挙げられ,特定外来生物への指定も検討されています。水槽などで飼うのは良いですが,野外に放してはいけません。このように,ブラックバスほどではないものの,社会的に歓迎されていないオオカナダモですが,理科の実験・観察にこれほど適した材料はありません。まず,材料の確保が容易です。野外で採集しなくとも,ペットショップや熱帯魚屋で“アナカリス”や“金魚藻”という名で売られており,その旺盛な繁殖力のため,飼育も簡単です。そして,細胞,原形質流動,原形質分離の観察,光合成,呼吸の実験,メダカの産卵場所など様々な実験,観察に用いることが出来ます。本実習では,オオカナダモの葉の細胞を観察します。葉を1枚スライドガラスに乗せるだけで細胞を観察出来ます。特にタマネギの表皮細胞では観察出来なかった葉緑体や原形質流動を見ることが出来ます。オオカナダモの葉は表と裏の2層から成っています。裏面の細胞は細長く,表面よりも小さいです。原形質流動を観察出来たら,表か裏の細胞を観察,スケッチします。
 
 
用意するもの
顕微鏡(1人1台),オオカナダモ(1株),スライドガラス(人数分),カバーガラス(人数分),ピンセット(人数分),シャーレ(人数分),ケント紙(一人1枚),スケール用定規又はミクロメーター(各班1本)
 
観察手順
 
 

オオカナダモの葉を一枚ちぎり,スライドガラスに乗せ,水を一滴垂らし,カバーガラスを掛けます。

 
細胞の観察
 
 
オオカナダモの葉の裏の細胞です。
 
 
 実習で見せる事はほとんどありませんが,オオカナダモの横断切片を作ってみました。葉の場所にもよりますが,表の細胞の方が裏よりも大きい事が分かります(左図)。右図は葉脈部分,すなわち維管束の横断面です。水中生活をしているため導管は見られません。
 

オオカナダモの葉の原形質流動。元気はありませんが,葉緑体がゆっくりと動いているのが分かると思います。

 
これといった特徴はありませんが,横断面で原形質流動を観察したものです。
 

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