古細菌ドメイン Domain Archaea

 古細菌は真正細菌(Bacteria)と共に原核生物と呼ばれていました。すなわち膜に包まれた核や細胞小器官を持っておらず,DNAは環状です。ところが,「写真で見る生物の系統と分類」のトップページで表に挙げた通り,真正細菌とは核タンパク質の種類,細胞壁の成分,細胞膜の脂質,DNAポリメラーゼ,翻訳開始DNAなど多くの点で異なり,むしろ真核生物に近縁です。高温,強酸,強アルカリ性など通常の生物は生息出来ない極限環境を好んで生息する仲間がいる一方,一般的な海洋,土壌などにも多く生息しています。一般的には良く知られていないグループですが,分布域の広さやこれまでに報告されている種類の多様性を鑑みると,真正細菌,真核生物と並び,生物界の中で大きな位置を占めていると考えられます。
 
ユリアーケオータ門 Phylum Euryarchaeota
 多様な分類群で超好熱菌,好熱好酸菌のように極限環境に生息するもの,メタン生成菌のように嫌気環境に生息するもの,一般的な海洋,土壌に生息するものまで様々です。多様な環境に生息するため,形態や代謝も様々です。
 
クレンアーケオータ門 Phylum Crenarchaeota
 ユリアーケオータ門との形態的な差異は少なく,SSU rDNA (16S rDNA)を用いた分子系統解析によってのみ区別されています。ほとんどが超好熱菌,好熱好酸菌という極限環境を好む生物群です。エオサイト仮説が正しければ,この門の祖先生物が真正細菌と細胞共生して真核生物が誕生したと考えられます。
 
参考文献
 
井上 勲 2007. 藻類30億年の自然史 藻類から見る生物進化・地球・環境 第2版. 東海大学出版会,秦野(神奈川),643 pp.
 
杉山純多 編 2005. バイオディバーシティ・シリーズ 4 菌類・細菌・ウイルスの多様性と系統. 裳華房,東京.
 

「写真で見る生物の系統と分類」のトップに戻る

「生きもの好きの語る自然誌」のトップに戻る