髪菜 Nostoc flagelliforme |
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作成者:鈴木雅大 作成日:2015年8月25日 |
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髪菜(ハッサイ,ファーツァイ) |
Nostoc flagelliforme Harvey ex Molinari-Novoa, Calvo-Pérez & Guiry in Calvo-Pérez, Molinari-Novoa & Guiry 2016: 1. |
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シアノバクテリア門(Phylum Cyanobacteria),ネンジュモ綱(Class Nostocophyceae),ネンジュモ目(Order Nostocales),ネンジュモ科(Family Nostocaceae),ネンジュモ属(Genus Nostoc) |
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Heterotypic synonym |
Nostoc commune var. flagelliforme Bornet & Flahault 1886: 206. |
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Type locality: naked aluminous soil, at San Pedro Texas. |
Lectotype specimen: TCD? |
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中国産;撮影日:2012年7月1日;撮影者:鈴木雅大 |
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著者の恩師,故吉﨑 誠博士(東邦大学名誉教授)が1992年3月31日に中国で開催された学会で入手されたものです。吉﨑先生はこれを講義で学生に見せ,「これは東本願寺の毛綱の一部だよ」とからかい,笑いを取っておられました。東本願寺の毛綱と言われてピンとくる学生がどれほどいるかは計りかねますが,「髪菜」の名の通り,髪の毛の塊のように見えます。髪菜は知る人ぞ知る高級食材で,中華人民共和国の砂漠地帯に自生していますが,乱獲により深刻な環境被害をもたらしたため,2000年以降採集,販売が禁止されています。 |
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顕微鏡写真 *製品を水に戻したもの |
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本品を水に戻し,顕微鏡で観察してみたところ,イシクラゲ(Nostoc commune)のような数珠状の細胞がみられました。20年以上前のサンプルなので,細胞の形は変わってしまっていますが,ネンジュモ目にみられるヘテロシスト(異質細胞)も確認できます。髪菜は紛い物が横行しているそうなので本物かどうか気になっていたのですが,シアノバクテリアであることを確認できました。現在ではかなり貴重なものだと思いますので,食べて良いものか,食べるとしてもどうやって調理したら良いものか悩みどころです。 |
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参考文献 |
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>写真で見る生物の系統と分類 >真正細菌ドメイン >シアノバクテリア門 |
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© 2015 Masahiro Suzuki |