珪藻類 Diatomeae (= 珪藻植物門 Bacillariophyta)
作成日:2011年3月20日(2018年2月24日更新)
 

単細胞または群体性の生物です。細胞は2枚の珪酸質(ガラス)の殻で包まれ,側面は帯片によって囲まれています。殻には条線と呼ばれる模様があります。紅藻の色素体を二次細胞内共生したと考えられ,色素体は4枚の包膜に包まれています。光合成色素としてクロロフィルa, c, フコキサンチンなどを含み,黄褐色をしています。淡水域,海水域に広く分布し,種類は10万種を超えるとも言われ,現在地球上で最も繁栄している生物群の一つです。光合成をするプランクトンの中では最も普通に見られます。形から中心類と羽状類の2つに大別されてきましたが,中心類は系統的に複数のグループから成ることが示され,現在の分類体系では見直しが成され,複数の亜綱(珪藻植物門を認める場合は綱)に分けられています。中心類の精子を除いて鞭毛を持たず動きませんが,羽状類の一部は粘液を分泌することで滑走運動します。

亜門,綱,亜綱の分類はAdl et al. (2019)を参考にしましたが,分類群として正式に発表されていないものも含まれているため,暫定的な体系です。

 
"クモノスケイソウ亜門 Subphylum Arachnoidiscophytina"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。亜門の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名はArachnoidiscus属の和名として用いられている「クモノスケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
   
ハスノミケイソウ目        
クモノスケイソウ        
撮影:鈴木雅大;新潟県 佐渡島        
 
クサリケイソウ亜門 Subphylum Bacillariophytina
 
クサリケイソウ綱 Class Bacillariophyceae
*クサリケイソウ亜綱,オビケイソウ亜綱,ウルネイド亜綱などを含みます。
 
"イトマキケイソウ綱 Class Biddulphiophyceae"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。綱の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名はBiddulphia属の和名として用いられている「イトマキケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
   
イトマキケイソウ目        
Biddulphia biddulphiana        
撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋        
 
チュウカンケイソウ綱 Class Mediophyceae
*ツノケイソウ亜綱,チョウチンケイソウ亜綱,ヤッコケイソウ亜綱,ニセコアミケイソウ亜綱などを含みます。
 
コアミケイソウ亜門 Subphylum Coscinodiscophytina
 
コアミケイソウ綱 Class Coscinodiscophyceae
 
   
コアミケイソウ目   コアミケイソウ目    
Coscinodiscus spp.   カザグルマケイソウ    
撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港   撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋    
 
"ホソミドロケイソウ亜門 Subphylum Leptocylindrophytina"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。亜門の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名は小林ら(2006)がLeptocylindrus属に用いた「ホソミドロケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
"イガクリケイソウ綱 Class Corethrophyceae"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。綱の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名は小林ら(2006)がCorethron属に用いた「イガクリケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
   
イガクリケイソウ目        
カサボネケイソウ        
撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港        
 
"タルケイソウ亜門 Subphylum Melosirophytina"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。亜門の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名はMelosira属の和名として用いられている「タルケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
   
タルケイソウ目   クシダンゴケイソウ目   スジタルケイソウ目
Melosira sp.   Stephanopyxis spp.   Aulacoseira sp.
撮影:鈴木雅大;千葉県 我孫子市 手賀沼   撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋   撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 一谷池
 
"ツツガタケイソウ亜門 Subphylum Rhizosoleniophytina"
Mann博士がAdl et al. (2019)の中で提唱したものです。亜門の階級と考えられますが,論文中で階級が示されていないので現時点では分類学的に正式発表されたものではないと考えられます。和名はRhizosolenia属の和名として用いられている「ツツガタケイソウ」を適用しましたが,出版物等で提唱されたものではありません。
 
   
ツツガタケイソウ目   ツツガタケイソウ目   ツツガタケイソウ目
ナガトゲツツガタケイソウ   オオツツガタケイソウ   Rhizosolenia sp.
撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港   撮影:   撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港
 
   
ツツガタケイソウ目   ツツガタケイソウ目    
マガリツツガタケイソウ   Pseudosolenia calcar-avis    
撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港   撮影:鈴木雅大;兵庫県 淡路島 岩屋港    
 
参考文献
 
Adl, S.M., Bass, D., Lane, C.E., Lukeš, J., Schoch, C.L., Smirnov, A., Agatha, S., Berney, C., Brown, M.W., Burki, F., Cárdenas, P., Cepicka, I., Chistyakova, L., Campo, J. del, Dunthorn, M., Edvardsen, B., Eglit, Y., Guillou, L., Hampl, V., Heiss, A., Hoppenrath, M., James, T.Y., Karnkowska, A., Karpov, S., Kim, E., Kolisko, M., Kudryavtsev, A., Lahr, D.J.G., Lara, E., Le Gall, L., Lynn, D.H., Mann, D.G., Massana, R., Mitchell, E.A.D., Morrow, C., Park, J.S., Pawlowski, J.W., Powell, M.J., Richter, D.J., Rueckert, S., Shadwick, L., Shimano, S., Spiegel, F.W., Torruella, G., Youssef, N., Zlatogursky, V. and Zhang, Q. 2019. Revisions to the classification, nomenclature, and diversity of eukaryotes. Journal of Eukaryotic Microbiology 66:4-119.
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2015. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. http://www.algaebase.org; searched on 29 May 2015.
 
小林 弘・出井雅彦・真山茂樹・南雲 保・長田敬五 著.2006. 小林弘珪藻図鑑 第1巻.内田老鶴圃,東京.
 

写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインS A Rストラメノパイル黄藻植物(オクロ植物)門

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