被子植物門(Angiospermae)とする見解もあります。Ruggiero et al. (2015) における分類階級は上綱(Superclass)になりますが,正式に発表されていません。
被子植物の分類体系は,エングラー又はクロンキストの分類体系を用いるのが一般的でした。植物図鑑の多くがエングラー体系かクロンキスト体系のいずれかを採用しており,例えば牧野日本植物図鑑と平凡社の日本の野生植物シリーズはエングラー体系を採用しています。1990年代以降の分子系統解析技術の進展を背景に,APG植物分類体系が誕生しました。APGとはAngiosperm Phylogeny Groupの略で,分子系統に基づいた分類体系の構築を目指しています。本ウェブサイトでは最新のAPG植物分類体系として発表されたAPG III (2009) 及びAPG IV (2016) の分類体系を採用しました。APG IV (2016) に対応する上目(Superorder)の分類は,未だ発表されていないので,本ウェブサイトではAPG III (2009) に対応して発表されたChase & Reveal (2009) を引き続き採用しました。APG IV (2016) で変更された目,科を除き,目の分類は米倉(2010)に,科の分類は米倉(2012)に従いました。
モクレン綱 Class Magnoliopsida
被子植物の上目の系統関係。APG IV (2016) を参考に作図したものですが,系統樹の枝の長さは反映していません。APG IV (2016) ではクレードと目の系統樹を示しており,上目の階級は用いていませんが,ここでは図の簡略化のため,Chase & Reveal (2009) の上目に相当するクレードを「上目」として示しました。センリョウ目とビワモドキ目に対応する上目の階級は発表されていません。*APG III (2009) の時点での系統樹はこちら。
The Angiosperm Phylogeny Group. 2009. An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III. Botanical Journal of the Linnean Society 161: 105-121.
The Angiosperm Phylogeny Group. 2016. An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV. Botanical Journal of the Linnean Society 181: 1-20.
Chase, M.W. and Reveal, J.L. 2009. A phylogenetic classification of the land plants to accompany APG III. Botanical Journal of the Linnean Society 161: 122-127.