キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2017年10月15日(2019年10月14日更新)
 
キョウチクトウ(夾竹桃)
Nerium oleander var. indicum (Miller) O. Degener & Greenwell in Degener (1952)
 
維管束植物門(Phylum Tracheophyta),種子植物亜門(Subphylum Spermatophytina),被子植物("Angiospermae"),モクレン綱(Class Magnoliopsida),キク上目(Superorder Asteranae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae),キョウチクトウ亜科(Subfamily Apocynoideae),キョウチクトウ連(Tribe Nerieae),キョウチクトウ属(Genus Nerium
 
新エングラー体系:被子植物門(Phylum Angiospermae),双子葉植物綱(Class Dicotyledoneae),合弁花植物亜綱(Subclass Sympetalae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae)
クロンキスト体系:被子植物門(Phylum Magnoliophyta),モクレン綱(Class Magnoliopsida),キク亜綱(Subclass Asteridae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae)
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
撮影地:兵庫県 明石市 明石港;撮影日:2019年10月3日;撮影者:鈴木雅大
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
 
キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2015年6月2日;撮影者:鈴木雅大
 
インド原産の栽培植物です。竹の葉に似た葉を持つことと,モモ(Amygdalus persicaのような花を付けることが和名の由来です。気孔の形態が特殊で,大気汚染に強いことから道路際などに植栽されているのをよく見かけます。本種は有毒植物として知られており,マドリッドに攻め入ったナポレオン軍が本種の枝に肉を刺して焼いたところ,煙を吸った将兵がバタバタと倒れたとか,保険金目当に本種で作った箸を夫に使わせて殺害したとか,恐ろしい逸話がたくさんあります。後者は俗説(都市伝説?)だと思いますが,軍隊が野営時にキョウチクトウの枝を焼き串代わりに使用して中毒事故が起こった例は幾つかあるようで,近年でも本種に関わる中毒事故は起きているようです。キョウチクトウの枝は長くて丈夫なので,知らなければ焼き串代わりに使ってしまうかもしれません。著者の出身地である千葉市の花木なので,著者にとっては馴染み深い植物なのですが,千葉市の海岸沿いに多数植栽されているキョウチクトウについて,地震などの災害で火事になった際に危険ではないかという投書がありました。同じようなことが2009年に福岡市でもあったようで,こちらは伐採の方針が決まったものの,抗議が殺到したことにより2週間足らずで撤回されていました。危険性の高い生物だとは思うので,危険視するのもやむを得ないかと思いますが,実際に火事になった場合や生木を燃やした際にどの程度の被害が予想されるのか,科学的な根拠が欲しいところです。いずれにしろ扱いには注意が必要な生物の1つでしょう。
 
参考文献
 
佐竹元吉 2012.フィールドベスト図鑑 vol.16. 日本の有毒植物.232 pp. 学研教育出版,東京.
 
米倉浩司・梶田忠 2003-.「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info(2017年10月15日閲覧).
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ アーケプラスチダ緑色植物亜界有胚植物上門被子植物キク上目リンドウ目キョウチクトウ科
 
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