マルバアサクサノリ Neopyropia kuniedae
作成者:鈴木雅大 作成日:2016年12月29日(2020年8月14日更新)
 
マルバアサクサノリ(丸葉浅草海苔)
Neopyropia kuniedae (Kurogi) N. Kikuchi & Niwa 2020: 1.
 
紅藻植物門(Phylum Rhodophyta),真正紅藻亜門(Subphylum Eurhodophytina),ウシケノリ綱(Class Bangiophyceae),ウシケノリ目(Order Bangiales),ウシケノリ科(Family Bangiaceae),ネオピロピア属(Genus Neopyropia
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:紅藻綱(Class Rhodophyceae),原始紅藻亜綱(Subclass Bangiophycidae),ウシケノリ目(Order Bangiales),ウシケノリ科(Family Bangiaceae),アマノリ属(Genus Porphyra)*Porphyra kuniedaeとして
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:紅藻綱(Class Rhodophyceae),ウシケノリ目(Order Bangiales),ウシケノリ科(Family Bangiaceae),アマノリ属(Genus Pyropia)*Pyropia kuniedaeとして
 
Basionym
  Porphyra kuniedae Kurogi 1957: 23; 1961: 33. Figs 29-42. Pls 9-20; 1963: 福原 1968: 63; 吉田 1993: 204-205. Fig. 101; 1998: 444. Pl. 3-3, Fig. C.
Homotypic synonym
  Pyropia kuniedae (Kurogi) M.S. Hwang & H.-G. Choi in Sutherland et al. 2011: 1144.
 
Type locality: 宮城県 松島湾 桂島 石浜崎
Type specimen: SAP 044803
 
環境省レッドリスト2019・カテゴリー:絶滅危惧I類(CR+EN)
 
分類に関するメモ:マルバアサクサノリはPorphyra属のメンバーとされてきましたが,Sutherland et al. (2011)によってPorphyra属からPyropia属に移されました。Yang et al. (2020) はNeopyropia属を設立し,スサビノリ(Neopyropia yezoensisヤブレアマノリ(Neopyropia lacelataなどをPyropia属からNeopyropia属に移しました。本種もNeopyropia属に移されて然るべきと思われますが,どういうわけかYang et al. (2020) に本種は含まれておらず,本種とNeopyropia属との新組み合わせはKikuchi & Niwa (2020)によって発表されました。
 
マルバアサクサノリ Neopyropia kuniedae
押し葉標本(採集地:岩手県 下閉伊郡 山田町 船越 浦の浜;採集日:2006年5月1日;採集者:鈴木雅大)
 
黒木(1963)によると,岩手県山田町には本種とスサビノリ(Neopyropia yezoensisが混生しています。本種とスサビノリは良く似ており,スサビノリの代表的な特徴の一つである精子嚢斑の付き方も同じです。本種とスサビノリとの違いは,体が円形あるいは卵形になることです。著者は,岩手県山田町で採集したサンプルをスサビノリと同定していましたが,体が円形になる特徴から本種と同定を改めました。著者の個人的な見立てですが,本種の精子嚢班はスサビノリ同様かすり模様となりますが,よりはっきりとしているという印象を受け,ヤブレアマノリ(Neopyropia lacelataのものに良く似ています。ヤブレアマノリは東北地方沿岸には分布していないと考えられるので無視していますが,他の地域で似たような海苔を同定出来るかどうかは自信がありません。なお,Sutherland et al. (2011), Yang et al. (2020)によると,これらのアマノリ類は遺伝子解析によって区別出来るそうで,種同定が必要になった場合はrbcL遺伝子の配列を決定,比較することでDNA鑑定が出来るようです。
 
参考文献
 
福原英司 1968. 北海道近海産アマノリ属の分類学的ならびに生態学的研究.北海道区水産研究所研究報告 34: 40-99.
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2016. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 29 December 2016.
 
Kikuchi, N. and Niwa, K. 2020. New combinations in Neopyropia J.Brodie & L.-E.Yang (Bangiaceae, Rhodophyta) from Japan. Notulae Algarum 141: 1-2.
 
黒木宗尚 1957. 養殖ノリの種類.水産増殖 4: 21-28.
 
黒木宗尚 1961. 養殖アマノリの種類とその生活史(アマノリ類の生活史の研究第II報).東北水研研究報告 18: 1-115.
 
黒木宗尚 1963. 山田湾・船越湾の養殖アマノリの種類とコスジノリの一新品種について.東北水研研究報告 23: 117-140.
 
Sutherland, J.E., Lindstrom, S.C., Nelson, W.A., Brodie, J., Lynch, M.D.J., Hwang, M.S., Choi, H.-G., Miyata, M., Kikuchi, N., Oliveira, M.C., Farr, T., Neefus, C., Mols-Mortensen, A., Milstein, D. and Müller, K.M. 2011. A new look at an ancient order: Generic revision of the Bangiales (Rhodophyta). Journal of Phycology 47: 1131-1151.
 
Yang, L.-E., Deng, Y.-Y., Xu, G.-P., Russell, S., Lu, Q.-Q. and Brodie, J. Redefining Pyropia (Bangiales, Rhodophyta): four new genera, resurrectio of Porphyrella and description of Calidia pseudolobata sp. nov. from China. Journal of Phycology 56: 862-879.
 
吉田忠生 1993. マルバアサクサノリ.In: 堀 輝三(編) 藻類の生活史集成 第2巻 褐藻・紅藻類. pp. 204-205. 内田老鶴圃, 東京.
 
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌 1222 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版). 藻類 63: 129-189.
 

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