アミジグサ Dictyota dichotoma auct. non (Hudson) J.V. Lamouroux (1809)
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2013年10月18日(2015年7月9日更新)
 
アミジグサ(網地草)
Dictyota dichotoma auct. non (Hudson) J.V. Lamouroux (1809)
 
黄藻植物(オクロ植物)門(Phylum Ochrophyta),褐藻綱(Class Phaeophyceae),アミジグサ亜綱(Subclass Dictyotophycidae),アミジグサ目(Order Dictyotales),アミジグサ科(Family Dictyotaceae),アミジグサ連(Tribe Dictyoteae),アミジグサ属(Genus Dictyota
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),アミジグサ目(Order Dictyotales),アミジグサ科(Family Dictyotaceae),アミジグサ属(Genus Dictyota
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),アミジグサ目(Order Dictyotales),アミジグサ科(Family Dictyotaceae),アミジグサ属(Genus Dictyota
 
掲載情報
岡村 1902: 111; 1913: 39. Pl. 111; 1936: 160. Fig. 82; 川口 1993: 97. Fig. 48; 田中 1998: 213. Pl. 2-5. Figs A-F.
 
分類に関するメモ:アミジグサは”Dictyota dichotoma”に充てられていますが,太平洋で報告されている"D. dichotoma"は大西洋のD. dichotomaとは種類が異なることが指摘されています(Hwang et al. 2005など)。

国際遺伝子配列データベースには,"D. koreana"という名前で公開されている遺伝子配列があり,韓国で"D. dichotoma"と呼ばれている種に対応していると考えられますが,記載文や判別文を伴って発表されたことはなく,裸名(nomen nudum)に相当すると考えられます。

 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
撮影地:神奈川県 中郡 大磯町 照ヶ崎;撮影日:2011年7月15日;撮影者:横澤敏和 氏
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2015年5月7日;撮影者:鈴木雅大
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
撮影地:新潟県 佐渡市 風島弁天(佐渡島);撮影日:2011年8月6日;撮影者:鈴木雅大
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma   アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
押し葉標本(採集地:青森県 青森市 浅虫 裸島;採集日:2002年11月20日;採集者:鈴木雅大)
 
太平洋西岸で報告されている"Dictyota dichotoma"は大西洋のD. dichotomaとは種類が異なる他,複数種(少なくとも2種)を含むことが指摘されています(Hoshina et al. 2004, Hwang et al. 2005など)。Lee et al. (unpublished)は,韓国のD. dichotomaに対して,D. koreanaという名前を与え,GenBankにもその名前で塩基配列が登録されていますが,未だ正式に発表されていない裸名(ineditus)です。アミジグサはD. dichotomaとは別種であることはほぼ間違いないと考えられますが,真のD. dichotomaとの形態的特徴の違いや隠蔽種の有無の調査,再記載など,日本産アミジグサの種を整理するためには多くの課題が残されています。
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
体先端部の頂端生長細胞。1.0%エリスロシン水溶液で染色
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
体先端部の表面観のスケッチ
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma   アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
縁辺部の横断面。1.0%エリスロシン水溶液で染色
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
縁辺部の横断面のスケッチ(上段は毛を生じた皮層)
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma   アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
体縁辺部の横断面。体の中部以下ではしばしば皮層細胞が二層以上になる。
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
体縁辺部の横断面のスケッチ
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma   アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
先端部の縦断面。1.0%エリスロシン水溶液で染色
 
アミジグサ Dictyota cf. dichotoma
体下部の横断面。皮層細胞から仮根状糸を生じる。
 
 
参考文献
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2013. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 18 October 2013.
 
川口栄男 1993. アミジグサ.In: 堀 輝三(編) 藻類の生活史集成 第2巻 褐藻・紅藻類.pp. 96-97. 内田老鶴圃,東京.
 
Lamouroux, J.V.F. 1809. Exposition des caractères du genre Dictyota, et tableau des espèces qu'il renferem. Journal de Botanique [Desvaux] 2: 38-44.
 
岡村金太郎 1902. 日本藻類名彙.276 pp. 敬業社,東京.
 
岡村金太郎 1913. 日本藻類圖譜 第3巻 第3集.内田老鶴圃,東京.
 
岡村金太郎 1936. 日本海藻誌.964 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
田中次郎 1998. 2.5 あみじぐさ目.In: 吉田忠生 著.新日本海藻誌.pp. 205-234. 内田老鶴圃,東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版). 藻類 63: 129-189.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインS A Rストラメノパイル黄藻植物(オクロ植物)門褐藻綱アミジグサ目
 
日本産海藻リスト黄藻植物門褐藻綱アミジグサ亜綱アミジグサ目アミジグサ科アミジグサ連アミジグサ属アミジグサ
 
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