ムラサキツユクサの気孔の観察 |
| はじめに |
| ムラサキツユクサ(Tradescantia spp.)の気孔の観察は中学校,高等学校では定番です。観察が容易な事と核や細胞壁もはっきりと観察出来ることから,タマネギの鱗茎葉の表皮細胞の代わりに用いる学校もあります。 |
| ムラサキツユクサ |
| ムラサキツユクサは簡単に気孔 stomata (単数形はstoma)を観察出来る材料です。表皮を薄く剥ぐと,気孔や毛が観察出来ます。一組の孔辺細胞 guard cellを4個の副細胞 subsidiary cell が取り巻いています。副細胞には核がはっきりと観察出来ます。孔辺細胞に葉緑体が含まれていることを確認するのが観察のポイントです。 |
| 切片作製手順 |
| ムラサキツユクサの葉を一枚取り,ピンセットで表面の薄皮を一枚剥ぎます。ムラサキツユクサは葉の両面に気孔があるので上面下面のどちらでも構いません。 |
| 顕微鏡で観察する |
| 10倍の対物レンズでピントを合わせたら,40倍の対物レンズで気孔を観察します。 |
| 気孔の表面観 |
![]() |
| 気孔の表面観のスケッチ:ツユクサ型気孔。気孔が4個の副細胞に囲まれる。孔辺細胞には葉緑体が見られる。 |
| 観察のポイント | |
| 気孔 stomata | |
| 1対の孔辺細胞と開孔部を併せて気孔と呼びます。 | |
| 孔辺細胞 guard cell | |
| 半月形をした細胞で葉緑体を含みます。 | |
| 副細胞 subsidiary cell | |
| 気孔の開閉を補助する細胞です。 | |
| 毛 hair | |
| 表皮細胞が突出変形したものです。ムラサキツユクサでは,毛と基部細胞と2細胞から成ります。 | |
| 気孔の種類 | |
| 気孔は,副細胞の有無及び数,副細胞の形によって幾つかの型に分けられます。ムラサキツユクサの気孔はサトイモ型あるいはツユクサ型と呼ばれ,孔辺細胞が4個の副細胞で囲まれるのが特徴です。 | |
| ユキノシタ型 | |
| サトイモ型 | |
| イネ型 | |
| アヤメ型 | |
| レプリカ法による観察 | ||
| どの植物もムラサキツユクサのように簡単に気孔を観察出来るとは限りません。気孔の観察に有効な方法としてレプリカ法があります。欠点は生きた細胞を観察するわけではないため,葉緑体や核を観察出来ない事です。 | ||
| スンプ法 | ||
| レプリカ法の一種です。スンプ(SUMP: Suzuki's Universal Micro-Printing)のキットを用いて,気孔を観察します。 | ||
| スンプ法で観察したユキノシタの気孔 | ||
| > 実験・観察の紹介 >植物組織の観察 | ||
| 「生きもの好きの語る自然誌」のトップに戻る | ||
| © 2010 Masahiro Suzuki | ||