ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
作成者:鈴木雅大 作成日:2013年11月11日(2017年8月14日更新)
 
ウツロイワヒゲ(空ろ岩髭)
Myelophycus cavus Ji. Tanaka & Chihara 1984: 153. Figs 1-6, 9, 12-18, 24-27.
 
黄藻植物(オクロ植物)門(Phylum Ochrophyta),褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ亜綱(Subclass Fucophycidae),シオミドロ目(Order Ectocarpales),カヤモノリ科(Family Scytosiphonaceae),イワヒゲ属(Genus Myelophycus
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),ウイキョウモ目(Order Dictyosiphonales),コモンブクロ科(Family Asperococcaceae),イワヒゲ属(Genus Myelophycus
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),カヤモノリ目(Order Scytosiphonales),カヤモノリ科(Family Scytosiphonaceae),イワヒゲ属(Genus Myelophycus
 
Type locality: 静岡県 下田市 須崎
Type specimen: TNS-AL 35769(国立科学博物館植物研究部標本庫)
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
撮影地:静岡県 下田市 須崎 恵比須島;撮影日:2017年5月28日;撮影者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
撮影地:静岡県 下田市 須崎 恵比須島;撮影日:2014年5月14日;撮影者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
押し葉標本(採集地:静岡県 下田市 須崎 恵比須島;採集日:2006年5月15日;採集者:鈴木雅大)
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
撮影地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;撮影日:2016年4月9日;撮影者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
撮影地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;撮影日:2016年5月21日;撮影者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
撮影地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;撮影日:2017年5月26日;撮影者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
採集地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;採集日:2016年5月21日;採集者:鈴木雅大
 
ウツロイワヒゲ Myelophycus cavus
体の横断面(採集地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;採集日:2016年4月9日;採集者:鈴木雅大)
 
著者が関東地方を中心に活動していた頃,本種はタイプ産地である伊豆半島下田の恵比須島でしか見たことがなく,割と珍しい種類だと思っていました。ところが,瀬戸内海に行くと,愛媛県や広島県などでは本種があたかも普通種であるかのように広く分布しています。遺伝子を用いた分子系統解析の結果から,瀬戸内海産のものと下田産のものとは同じ種類とするのが妥当なようです。4月に愛媛県松山市で見た本種は,中空な体を持つものの,外見的にはまるで別種のようでしたが,5月に再び訪れた時には体長10 cmを超える位にまで育っており,下田産のものに近似するほか,本種のタイプ標本と良く似た外観を呈していました。5月に松山を訪れたおかげで,瀬戸内海産と下田産は同種であるという認識を強めました。遺伝子を用いた分子系統解析の結果もこれを支持したことから,日本における本種の分布域は下田から瀬戸内海沿岸まで比較的幅広く分布していることが明らかとなりました。瀬戸内海沿岸では普通種であることから,本種の分布の中心は瀬戸内海なのかもしれません。いずれにしろ伊豆半島下田と瀬戸内海の間で本種が見つからないのは,本種の分布を考える上で興味深いと思います。
 
参考文献
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2013. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 11 November 2013.
 
Tanaka, J. and Chihara, M. 1984. A new species of Myelophycus (M. cavum sp. nov.) with special reference to the systematic position of the genus (Dictyosiphonales, Phaeophyceae). Phykos 23: 12-162.
 
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌. 1222 pp. 内田老鶴圃, 東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版). 藻類 63: 129-189.
 

写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインS A Rストラメノパイル黄藻植物(オクロ植物)門褐藻綱 シオミドロ目カヤモノリ科

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