ナラサモ Sargassum nigrifolium
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2012年5月3日(2015年5月26日更新)
 
ナラサモ *因幡地方の方言
Sargassum nigrifolium Yendo 1907: 127. Pl. 16, Figs 1-3.
 
黄藻植物(オクロ植物)門(Phylum Ochrophyta),褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ亜綱(Subclass Fucophycidae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum),バクトロフィクス亜属(Subgenus Bactrophycus),レペンティア節(Section Repentia
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum
 
掲載情報
遠藤 1909: 147; 岡村 1916: 206; 1923: 8. Pl. 204; 1936: 345; Yoshida 1983: 226. Figs 89, 90; 1986: 41. Fig. 1; 1998: 395. Pl. 2-34, Fig. C; 島袋 2018: 485-489. Figs 1-11, 13.
 
Type locality: 神奈川県 三浦市 三崎
Type specimen: TI herb. Yendo(東京大学植物標本庫)*SAP(北海道大学大学院理学研究院植物標本庫)に永久貸与
 
兵庫県版レッドデータブック2020:B
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
撮影地:神奈川県 藤沢市 江ノ島;撮影日:2014年4月17日;撮影者:鈴木雅大
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
押し葉標本(採集地:神奈川県 藤沢市 江ノ島 鵜島;採集日:2004年4月8日;採集者:鈴木雅大)
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
体上部の葉
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
付着器と体下部の葉
 
波当たりの強い磯に生育する海藻で,岩にがっちりと着生しているため,磯金や箆で付着器をはがすのが大変です。このため,潮が高かったり,うねりがあると採集は困難を極めます。関東地方で仕事をしていた頃は,江ノ島で本種を採集出来た際,海が穏やかでありがとうと弁天様に感謝するのが通例となっていました。
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
撮影地:兵庫県 豊岡市 竹野;撮影日:2018年5月7日;撮影者:鈴木雅大
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
 
ナラサモ Sargassum nigrifolium
撮影地:兵庫県 豊岡市 竹野;撮影日:2015年5月8日;撮影者:鈴木雅大
 
著者は関東地方から東北地方を主な採集地としていたので,本種は関東以南の本州太平洋沿岸中部の代表種のように思っていました。このため,文献で本種が日本海に生育すると知った時は半信半疑でしたが,2015年5月に日本海に面する兵庫県竹野に調査に行った際,本種を確認することが出来ました。ホンダワラの仲間は日本海と太平洋側とで形が大きく変わるものが多いのですが,本種については江ノ島で見た姿とほぼ変わらない姿で生えており,著者の疑念は見事に晴れました。それにしても,本種が生えているということは普段,竹野の磯は激しく荒れるところだと考えられます。著者が訪れた際は鏡のように穏やかでしたが,これは侮るととんでもない目に会うなと気を引き締めました。
 
参考文献
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2012. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 3 May 2012.
 
岡村金太郎 1916. 日本藻類名彙 第2版.362 pp. 成美堂,東京.
 
岡村金太郎 1923. 日本藻類圖譜 第5巻 第1集.内田老鶴圃,東京.
 
岡村金太郎 1936. 日本海藻誌.964 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
島袋寛盛 2018. 日本産温帯性ホンダワラ属 10回目:ナラサモ.海洋と生物 40: 485-490.
 
Yendo, K. 1907. The Fucaceae of Japan. Journal of the College of Science, Tokyo Imperial University 21: 1-174.
 
遠藤吉三郎 1909. 莫語花.175 pp. 裳華房,東京.
 
Yoshida, T. 1983. Japanese species of Sargassum subgenus Bactrophycus (Phaeophyta, Fucales). Journal of the Faculty of Science Hokkaido University Series V (Botany) 13: 99-246.
 
吉田忠生 1986. ホンダワラ類の分類と分布(9).Halochloa節 (4) とRepentia節.海洋と生物 42: 38-41.
 
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌.1222 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版).藻類 63: 129-189.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインS A Rストラメノパイル黄藻植物(オクロ植物)門褐藻綱 ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属
 
日本産海藻リスト黄藻植物門褐藻綱ヒバマタ亜綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属バクトロフィクス亜属レペンティア節ナラサモ
 
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