カタユウレイボヤ Ciona robusta
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2014年1月20日
 
カタユウレイボヤ(堅幽霊海鞘)
Ciona robusta Hoshino & Tokioka, 1967
 
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),新口動物(後口動物)下界(Infrakingdom Deuterostomia),脊索動物上門(Superphylum Chordata),尾索動物門(Phylum Urochordata),ホヤ綱(Class Ascidiacea),マメボヤ目(Order Phlebobranchia),ユウレイボヤ科(Family Cionidae),ユウレイボヤ属(Genus Ciona
 
カタユウレイボヤ Ciona robusta
 
カタユウレイボヤ Ciona robusta
撮影地:三重県 鳥羽市 菅島町 名古屋大学菅島臨海実験所;撮影日:2014年1月20日;撮影者:鈴木雅大
 
カタユウレイボヤは,生物学の分野では名の知れたモデル生物です。一度は実物を見てみたいと思ってきましたが,名古屋大学の臨海実験所を訪ねた時,念願かなって実物を見ることが出来ました。モデル生物ゆえ,養殖が行われ,研究目的としての販売あるいは供与を行っているところもあるそうです。「カタユウレボヤ」の「カタ」は硬い/堅いという意味と思われるのですが,どう見ても柔らかそうな姿をしており,これのどこが「カタ」なのかと思っていました。本種を用いて研究をしておられる研究者に聞いた話ですが,「ユウレイボヤ(Ciona savignyi)」と比べると硬いから「カタユウレイボヤ」というのが和名の由来とのことです。和名の語源として正しいかどうかは調査中ですが,いわゆるユウレイボヤ類の中では硬そうな雰囲気をしているので,信憑性は高いのではないかと思います。

カタユウレイボヤは,"Ciona intestinalis"という種に充てられてきましたが,Brunetti et al. (2015) によると,C. intestinalisは,2種類を包含しており,カタユウレイボヤは,C. robustaに相当するそうです。

 
参考文献
 
Brunetti, R., Gissi, C., Pennati, R., Caicci, F., Gasparini, F. and Manni, L. 2015. Morphological evidence that the molecularly determined Ciona intestinalis type A and type B are different species: Ciona robusta and Ciona intestinalis. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research 53: 186-1193.
 
今原幸光 編著.2023. 新 写真でわかる磯の生き物図鑑.286 pp. 海文堂,東京.
 
Shenkar, N., Gittenberger, A., Lambert, G., Rius, M., Moreira da Rocha, R., Swalla, B.J. and Turon, X. 2023. Ascidiacea World Database. Ciona robusta Hoshino & Tokioka, 1967. Accessed through: World Register of Marine Species at: https://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=252565 on 2023-06-18.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ オピストコンタ動物界脊索動物上門尾索動物門ホヤ綱
 
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