カツオノエボシ Physalia physalis
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2016年5月1日(2022年6月5日更新)
 
カツオノエボシ(鰹の烏帽子;英名:Portuguese Man O' War)
Physalia physalis (Linnaeus, 1758)
 
動物界(Kingdom Animalia),ヒドラ亜界(Subkingdom Hydrobiotina),刺胞動物門(Phylum Cnidaria),ヒドロ虫綱(Class Hydrozoa),ヒドロ虫亜綱(Subclass Hydroidolina),管クラゲ目(Order Siphonophorae),嚢泳亜目(Suborder Cystonectae),カツオノエボシ科(Family Physaliidae),カツオノエボシ属(Genus Physalia
 
カツオノエボシ Physalia physalis
撮影地:千葉県 勝浦市 吉尾;撮影日:2016年4月27日;撮影者:鈴木雅大
 
カツオノエボシ(Physalia physalis)は,代表的な海の危険生物で,刺されるとひどく痛みます。外洋性ですが,台風の後などに沿岸に打ち寄せられることがあります。刺された際は海水をかけながら触手を取り除いた後,患部をお湯で温めるか,氷などで冷やすと良いそうです。ただ,本種の刺胞毒はかなり強力なので,応急処置をしたら病院を受診するのが望ましいそうです。
 
カツオノエボシ Physalia physalis
 
採集地:兵庫県 淡路市 岩屋 田ノ代海岸;撮影日:2022年5月30日;撮影者:鈴木雅大
 
臨海実習で動物採集を行った際,学生が採集してきたカツオノエボシ(Physalia physalis)です。過去に近くの海岸で打ち上がったことがあるものの,まさか実習中に見つかるとは思いませんでした。実習では,海に出る前に磯の危険生物について話をするのですが,カツオノエボシは普段まず見かけることはないため,学生に説明しておりませんでした。直接触らず,採集用のヘラに乗せてバケツに入れたとのことでしたが,刺されていたら病院送りになっていたところで,冷や汗が出ました。
 
参考文献
 
今原幸光 編著. 2023. 新 写真でわかる磯の生き物図鑑. 286 pp. 海文堂,東京.
 
NPO法人 武蔵野自然塾 編.2017. 危険生物ファーストエイドハンドブック 海編.96 pp. 文一総合出版,東京.
 
Schuchert, P. and Mapstone, G. 2015. Physalia physalis (Linnaeus, 1758). In: Schuchert, P. (2015) World Hydrozoa database. Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=135479 on 2016-05-02.
 
篠永 哲・野口玉雄 2013. フィールドベスト図鑑 vol.17. 危険・有毒生物.256 pp. 学研教育出版,東京.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ オピストコンタ動物界ヒドラ亜界ヒドロ虫綱
 
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