オオマリコケムシ Pectinatella magnifica | ||
作成者:鈴木雅大 作成日:2016年9月28日 | ||
オオマリコケムシ(大毬苔虫;別名:オジャッシー) | ||
Pectinatella magnifica (Leidy, 1851) | ||
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),旧口動物(前口動物)下界(Infrakingdom Protostomia),冠輪動物上門(Superphylum Lophotrochozoa),外肛動物門(Phylum Ectoprocta)/ 苔虫動物門(Phylum Bryozoa),掩喉綱(Class Phylactolaemata),ハネコケムシ(掩喉)目(Order Plumatellida),オオマリコケムシ科(Family Pectinatellidae),オオマリコケムシ属(Genus Pectinatella) | ||
撮影地:兵庫県 淡路市 北畑池(淡路島);撮影日:2016年9月27日;撮影者:鈴木雅大 | ||
撮影地:兵庫県 淡路市 北畑池(淡路島);撮影日:2016年9月14日;撮影者:鈴木雅大 | ||
淡水産の苔虫類で,1970年代から報告され始めた移入種です。北アメリカ東部原産で,船底などに付着したスタトブラスト(休芽)によって持ち込まれ,分布を広げていると考えられています。時には直径1メートルを超える大型の群体塊を作り,複数の群体塊が池で漂っている様子は何とも言い難い不気味さがあります。
千葉県出身の著者には,「雄蛇ヶ池のオジャッシー」という強烈な名前のせいで,ある意味馴染み深い生物です。といっても,おそらく千葉県出身者でも知っている人は極めて少ないと思いますので簡単に説明します。1981年,千葉県東金市にある雄蛇ヶ池に怪奇生物が出現したとして話題になりました。1981年8月22日付の千葉日報に報じられたほか,各種TVニュースに取り上げられたほどです。地元ではその怪奇生物を「オジャッシー」と呼んでおり,「雄蛇ヶ池のオジャッシー」として全国的に(?)知られるようになりました。言うまでもなくネス湖のネッシーにあやかった名前ですが,残念ながら屈斜路湖のクッシーや池田湖のイッシーほどのブームにはなりませんでした。というのもオジャッシーの正体は,あっさりとオオマリコケムシの群体塊であることが確められたからです。オジャッシーの正体については,織田(1982)が詳しく報告しています。オオマリコケムシの生態・特徴についても詳細な記述があり,お勧めの文献です。 兵庫県淡路島のため池で野外実習を行った際,オオマリコケムシが漂っていました。思わず「あ,オジャッシーだ!」と言ってしまったのですが,その場にいた学生達の「何言ってんだこの人?」という困惑した顔はなかなか印象的でした。かなり痛いネーミングとは思いますが,使っていると割と味のある名前のように思えるのは著者の千葉への愛着故でしょうか…? |
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群体塊の一部を採り,実体顕微鏡で観察したもの | ||
個虫(採集地:兵庫県 淡路市 北畑池(淡路島);採集日:2016年9月14日) | ||
スタトブラスト(休芽)(採集地:兵庫県 淡路市 北畑池(淡路島);採集日:2016年9月14日) | ||
参考文献 | ||
織田秀実 1982. 雄蛇ヶ池のオジャッシー それはオオマリコケムシ.遺伝 36(5): 46-55. | ||
>写真で見る生物の系統と分類 >真核生物ドメイン >スーパーグループ オピストコンタ >動物界 >冠輪動物上門 | ||
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