セイタカスギゴケ Pogonatum japonicum
作成者:鈴木雅大 作成日:2013年8月22日(2019年2月24日更新)
 
セイタカスギゴケ(背高杉苔)
Pogonatum japonicum Sullivant & Lesquereux, 1859
 
マゴケ植物門(Phylum Bryophyta),スギゴケ綱(Class Polytrichopsida),スギゴケ目(Order Polytrichales),スギゴケ科(Family Polytrichaceae),ニワスギゴケ属(Genus Pogonatum
 
セイタカスギゴケ Pogonatum japonicum
 
セイタカスギゴケ Pogonatum japonicum
撮影地:長野県 南佐久郡 南牧村 海尻 本沢温泉;撮影日:2013年8月16日;撮影者:鈴木雅大
 
セイタカスギゴケ Pogonatum japonicum
 
葉状体の上に伸びた白い構造は,配偶体の上に形成された胞子体です。生物の教科書では「シダの生活環」と並んで良く紹介される生活環ですが,実物を見たことのある方が少ないこともあり,難解あるいは,苦手とされることが多いようです。

スギゴケ類の生活環は,配偶体が優占します。普段見られるスギの葉状の体が雄または雌の配偶体で,核相は n(単相)です。受精後,配偶体の上に柄(蒴柄)のあるカプセル状の構造を作ります。カプセル状の構造を「蒴(サク)」と呼びます。この蒴柄と蒴がスギゴケ類の胞子体で,核相は 2n(複相)です。胞子体は葉緑体を持たず,成長及び胞子を作るためのエネルギーは全て配偶体に依存します。このためかつては,「胞子体が配偶体に寄生する」と言われていました。しかし,これはスギゴケ類の生存戦略の一環であり,「寄生」という言葉はふさわしくないということから,現在では「寄生」という表現は使われなくなりました。蒴の中で減数分裂が起こり,たくさんの胞子が形成されます。胞子が成熟すると蒴の頂部が開き,胞子が放出されます。右側の写真に,胞子を放出して枯れた胞子体が映りこんでいます。放出された胞子は,発芽後,原糸体という微小な体を経て,配偶体に成長します。

 
参考文献
 
藤井久子 著,秋山弘之 監修.2017. 知りたい会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑.家の光協会,東京.
 
池内 昌彦・伊藤元己・箸本春樹 監訳.リースら 著.2013. キャンベル生物学 原書9版.丸善出版株式会社,東京.
 
米倉浩司・梶田忠 2003-. 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info(2019年2月24日閲覧).
 

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