タマハハキモク Sargassum muticum
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2012年5月3日(2018年4月28日更新)
 
タマハハキモク(玉箒藻屑)
Sargassum muticum (Yendo) Fensholt 1955: 306.
 
黄藻植物(オクロ植物)門(Phylum Ochrophyta),褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ亜綱(Subclass Fucophycidae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum),バクトロフィクス亜属(Subgenus Bactrophycus),テレティア節(Section Teretia
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:褐藻綱(Class Phaeophyceae),ヒバマタ目(Order Fucales),ホンダワラ科(Family Sargassaceae),ホンダワラ属(Genus Sargassum
 
掲載情報
吉田 1978: 122. Fig. 4; 1983: 138. Figs 20-22; 1985: 109. Fig. 4; 1998: 394. Pl. 2-31, Fig. C; 島袋 2017: 500-502. Figs 1-9, 11, 12.
 
Basionym
  Sargassum kjellmanianum f. muticum Yendo 1907: 104; 岡村 1916: 203; 1936: 340.
その他の異名
  Sargassum kjellmanianum auct. non Yendo (1907); 岡村 1924: 45. Pl. 212, Fig. 2; 1936: 340. p.p.
 
Type locality: 和歌山県 東牟婁郡 串本町 出雲
Lectotype specimen: TI herb. Yendo(東京大学植物標本庫)*SAP(北海道大学大学院理学研究院植物標本庫)に永久貸与
 
タマハハキモク Sargassum muticum
撮影地:徳島県 鳴門市 北灘町 牛の鼻;撮影日:2018年4月26日;撮影者:鈴木雅大
 
タマハハキモク Sargassum muticum
 
タマハハキモク Sargassum muticum
撮影地:兵庫県 淡路市 大磯(淡路島);撮影日:2017年3月29日;撮影者:鈴木雅大
 
タマハハキモク Sargassum muticum
撮影地:愛媛県 松山市 高浜町 白石ノ鼻;撮影日:2017年5月26日;撮影者:鈴木雅大
 
タマハハキモク Sargassum muticum
押し葉標本(採集地:千葉県 銚子市 犬吠埼;採集日:2004年12月25日;採集者:鈴木雅大)
 
タマハハキモク Sargassum muticum
葉と気胞
 
タマハハキモク Sargassum muticum
付着器
 
タマハハキモク Sargassum muticum
押し葉標本(採集地:兵庫県 淡路市 岩屋 田ノ代海岸;採集日:2015年4月22日;採集者:鈴木雅大)
 
日本各地でみられる普通種ですが,ミヤベモク(Sargassum miyabeiスナビキモク(Sargassum ammophilumなど良く似た種が多く,付着器,葉,気胞などの特徴を揃えないと同定が難しい種類です。

本種の和名は現代仮名遣いに従うならば「タマハハキモク」ではなく「タマホウキモク」に修正すべきです。「帚/箒」の読みは,かつて「ハハキ」だったものが「ホウキ」に変わったもので,陸上植物では,「ハハキギ」が「ホウキギ」に変更された経緯があります。しかし,海藻の分野では「タマハハキモク」の名前が広く定着していると考えられることや,古典の分野では「帚木/箒木」を当時の読みである「ハハキギ」と読んでおり,「ハハキ」と呼んでも意味が通じないことはありません。生物の和名についてどこまで現代仮名遣いに準拠すべきか難しいところですが(→ 海藻和名問題),本種については広く普及している「タマハハキモク」をあえて修正する必要は無いように思います。

 
タマハハキモク Sargassum muticum
 
タマハハキモク Sargassum muticum
撮影地:Carna, Ireland;撮影日:2012年3月8日;撮影者:鈴木雅大
 
アイルランド西岸で撮影したタマハハキモクです。本種は日本からカキ殻と共にヨーロッパに移入したとされる海藻です。ワカメ(Undaria pinnatifidaが問題となる前はJapanese seaweedとしてヨーロッパ各地で問題視されていました。現在ではヨーロッパ全域で普通種となっているようです。
 
参考文献
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2011. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 25 November 2011.
 
Fensholt, D.E. 1955. An emendation of the genus Cystophyllum (Fucales). American Journal of Botany 42: 305-322.
 
岡村金太郎 1916. 日本藻類名彙 第2版.362 pp. 成美堂,東京.
 
岡村金太郎 1924. 日本藻類圖譜 第5巻 第3集.東京.*自費出版
 
岡村金太郎 1936. 日本海藻誌.964 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
島袋寛盛 2017. 日本産温帯性ホンダワラ属 4回目:タマハハキモク. 海洋と生物 39: 500-505.
 
Yendo, K. 1907. The Fucaceae of Japan. Journal of the College of Science, Tokyo Imperial University 21(Article 12): 1-174, folded table, pls I- XVIII.
 
吉田忠生 1978. Sargassum kjellmanianumS. miyabei(褐藻,ホンダワラ科)の選定基準標本.藻類 26: 121-124.
 
Yoshida, T. 1983. Japanese species of Sargassum subgenus Bactrophycus (Phaeophyta, Fucales). Journal of the Faculty of Science Hokkaido University Series V (Botany) 13: 99-246.
 
吉田忠生 1985. ホンダワラ類の分類と分布(5).Teretia節の種類-2.海洋と生物 38: 200-203.
 
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌.1222 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版).藻類 63: 129-189.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインS A Rストラメノパイル黄藻植物(オクロ植物)門褐藻綱 ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属テレティア節
 
日本産海藻リスト黄藻植物門褐藻綱ヒバマタ亜綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属バクトロフィクス亜属テレティア節タマハハキモク
 
「生きもの好きの語る自然誌」のトップに戻る