テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2017年10月15日(2018年10月19日更新)
 
テイカカズラ(定家葛)
Trachelospermum asiaticum (Siebold & Zuccarini) Nakai, 1922
 
維管束植物門(Phylum Tracheophyta),種子植物亜門(Subphylum Spermatophytina),被子植物("Angiospermae"),モクレン綱(Class Magnoliopsida),キク上目(Superorder Asteranae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae),キョウチクトウ亜科(Subfamily Apocynoideae),アポキヌム連(Tribe Apocyneae),テイカカズラ属(Genus Trachelospermum
 
新エングラー体系:被子植物門(Phylum Angiospermae),双子葉植物綱(Class Dicotyledoneae),合弁花植物亜綱(Subclass Sympetalae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae)
クロンキスト体系:被子植物門(Phylum Magnoliophyta),モクレン綱(Class Magnoliopsida),キク亜綱(Subclass Asteridae),リンドウ目(Order Gentianales),キョウチクトウ科(Family Apocynaceae)
 
Basionym
  Malouetia japonica Siebold & Zuccarini, 1846
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
撮影地:千葉県 船橋市 三山 東邦大学習志野キャンパス;撮影日:2010年6月1日;撮影者:鈴木雅大
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2015年6月2日;撮影者:鈴木雅大
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
 
テイカカズラ Trachelospermum asiaticum
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2018年5月29日;撮影者:鈴木雅大
 
愛した女性(式子内親王)を死後も忘れることが出来なかった藤原定家が,葛(かずら)として生まれ変わり,式子内親王の墓に絡みついたという伝説から「テイカカズラ」と名付けられたそうです。謡曲「定家」(金春禅竹作)のストーリーを読んでみると,旅の僧の前に式子内親王の霊が痩女の姿で現れるというもので,内親王の霊は葛(=藤原定家の愛執,妄執?)に絡みつかれて痩せ衰え,苦痛を味わい続けているということでした。僧の読経によって成仏するのかと思いきや,内親王は僧に礼を述べると再び愛執渦巻く墓に戻り,葛に絡みつかれて消えていくという,なかなかに深みのある内容でした。生前一体どのような愛憎劇があったのでしょうか。想像をかきたてられるストーリーですが,それに因んで名づけられた「テイカカズラ」の立場は少々不憫なものかもしれません。きれいな花ではありますが,咲き方が少々うっとおしいように感じてしまうのは,ついつい和名の由来を想像してしまうからでしょうか…。なお,本種の茎を傷つけると出てくる白い汁は,触るとかぶれることがあるそうです。巻き付いた葛をはがそうとすると手がかぶれるというのも「定家伝説」が誕生した一因なのかもしれませんね。
 
参考文献
 
邑田 仁 監修.米倉浩司 著.2012. 日本維管束植物目録.379 pp. 北隆館,東京.
 
佐竹元吉 2012.フィールドベスト図鑑 vol.16. 日本の有毒植物.232 pp. 学研教育出版,東京.
 
米倉浩司・梶田忠 2003-.「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info(2017年10月15日閲覧).
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ アーケプラスチダ緑色植物亜界有胚植物上門被子植物キク上目リンドウ目キョウチクトウ科
 
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