ヒメトゲノリ Acanthophora aokii
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2013年10月23日
 
ヒメトゲノリ(姫棘海苔)
Acanthophora aokii Okamura 1934: 35. Pl. 318, Figs 15-17.
 
紅藻植物門(Phylum Rhodophyta),真正紅藻亜門(Subphylum Eurhodophytina),真正紅藻綱(Class Florideophyceae),マサゴシバリ亜綱(Subclass Rhodymeniophycidae),イギス目(Order Ceramiales),フジマツモ科(Family Rhodomelaceae),ヤナギノリ連(Tribe Chondrieae),トゲノリ属(Genus Acanthophora
 
*1. 吉田(1998)「新日本海藻誌」における分類体系:紅藻綱(Class Rhodophyceae),真正紅藻亜綱(Subclass Florideophycidae),イギス目(Order Ceramiales),フジマツモ科(Family Rhodomelaceae),トゲノリ属(Genus Acanthophora
*2. 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:紅藻綱(Class Rhodophyceae),イギス目(Order Ceramiales),フジマツモ科(Family Rhodomelaceae),トゲノリ属(Genus Acanthophora
 
掲載情報
岡村 1936: 849; 吉田 1998: 1004. Pl. 3-103, Fig. A; Jong et al. 1999: 223. Figs 4-8, 42; Perrone et al. 2006: 38. Fig. 1.
 
Syntype localities: 台湾 台南;蘭島(紅頭嶼). (岡村 1934: 35)
Type specimen: SAP herb. Okamura(北海道大学大学院理学研究科植物標本庫 岡村金太郎コレクション)
 
分類に関するメモ:岡村(1934)には,産地として"台南(青木)"と"紅頭嶼(瀬川孝)"と書かれており,レクトタイプを指定する必要があります。Jong et al. (1999)は,ヒメトゲノリのタイプ標本を観察していますが,"Type" とのみ記され,レクトタイプの指定はしていません。観察した標本の産地が"Taiwan (Aoki)"と書かれていることから,台南で採集された標本と考えられますが,確認が必要と考えられます。

なお,Jong et al. (1999. Fig. 4) に掲載されているタイプ標本の写真は,吉田(1998. Pl. 3-103, Fig. A)が掲載しているタイプ標本の写真とは,左右を反転した形になっています。岡村(1934. Pl. 318, Fig. 15)の図の形は,Jong et al. (1999)のFig. 4と同じ形になっているので,原記載の図の形と一致させる形で撮影したか,写真を加工して左右を反転させたのかもしれません。標本が台紙に貼りついておらず,動かせる状態だったのであれば特に問題はありませんが,仮に写真を加工しているのであれば,画像の改ざんに相当する可能性があります。いずれにしても,タイプ標本の確認が必要と考えられます。

 
ヒメトゲノリ Acanthophora aokii
押し葉標本(採集地:台湾 台北縣 龍洞灣(現 新北市 龍洞灣);採集日:2009年4月15日;採集者:鈴木雅大)
 
 
参考文献
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2012. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 19 May 2012.
 
Jong, Y.S.D.M. de, Hitipeuw, C. and Prud'Homme van Reine, W.F. 1999. A taxonomic, phylogenetic and biogeographic study of the genus Acanthophora (Rhodomelaceae, Rhodophyta). Blumea 44: 217-249.
 
岡村金太郎 1934. 日本藻類圖譜 第7巻 第4集.東京.*自費出版
 
岡村金太郎 1936. 日本海藻誌.964 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
Perrone, C., Cecere, E. and Furnari, G. 2006. Growth pattern assessment in the genus Acanthophora (Rhodophyta, Ceramiales). Phycologia 45: 37-43.
 
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌.1222 pp. 内田老鶴圃,東京.
 
吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版).藻類 63: 129-189.
 
 
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日本産海藻リスト紅藻植物門真正紅藻亜門真正紅藻綱マサゴシバリ亜綱イギス目フジマツモ科ヤナギノリ連トゲノリ属ヒメトゲノリ
 
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