イシクラゲ Nostoc commune
作成者:鈴木雅大 作成日:2011年1月29日(2019年10月14日更新)
 
イシクラゲ(石水母)
Nostoc commune Vaucher ex Bornet & Flahault 1888: 203.
 
シアノバクテリア門(Phylum Cyanobacteria),シアノバクテリア綱(Class Cyanophyceae),ネンジュモ亜綱(Subclass Nostocophyceae),ネンジュモ目(Order Nostocales),ネンジュモ科(Family Nostocaceae),ネンジュモ属(Genus Nostoc
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
撮影地:岐阜県 伊自良市;撮影日:2010年2月14日;撮影者:鈴木雅大
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
撮影地:山梨県 蛭ヶ岳;撮影日:2010年10月11日;撮影者:鈴木雅大
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
撮影地:山梨県 都留市 田原;撮影日:2010年7月1日;撮影者:鈴木雅大
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
採集地:山梨県 都留市 田原;採集日:2010年7月1日;撮影者:鈴木雅大
 
イシクラゲ Nostoc commune
押し葉標本(採集地:山梨県 都留市 田原;採集日:2010年7月1日;採集者:鈴木雅大)
 
イシクラゲ Nostoc commune
撮影地:千葉県 柏市 加賀;撮影日:2019年10月14日;撮影者:鈴木瑛子
 
イシクラゲ Nostoc commune
 
イシクラゲ Nostoc commune
採集地:千葉県 柏市 加賀;採集日:2019年10月14日;撮影者:鈴木雅大
 
空地や校庭の芝生,駐車場などで良く目にするシアノバクテリア(藍藻類)です。日本及び世界各地に分布する汎存種で,日本と中国では食用にしていた歴史もあります。寒天質の体の中に数珠状に連なった細胞が詰まった群体であり,コロニーの大きさは直径10 cmを超えます。細胞同士のつながり(原形質連絡)を持たないため群体性の生物と定義されますが,細胞の中にはヘテロシスト(異質細胞)という窒素固定に関わる酵素を豊富に含む特別な細胞があり,細胞の「分化」がみられます。遺伝子を用いた分子系統解析の結果,細胞内共生によって,真核光合成生物の葉緑体の起源となったシアノバクテリアに,現生種の中では最も近いと考えられていますが,あくまでも他のシアノバクテリアと比べれば近いという程度で,葉緑体の直接の起源というにはかけ離れていると考えられます。

俗に「公園ワカメ」と呼ばれることもあるようで,見栄えは悪いのですが,かつては食用とされていた通り,良く洗って食べるとそこそこ美味しいです。ただ,顕微鏡で観察しているとセンチュウなどの土壌動物や微生物がたくさん見えてしまうため,食欲が減退してしまうのが残念なところです。もっとも,それを言ったら生のモズク類などもセンチュウだらけと言えないこともないので,湯通ししたものを食べる分には大して変わらないかもしれません。

 
参考文献
 
Bornet, É. and Flahault, C. 1886. Revision des Nostocacées hétérocystées contenues dans les principaux herbiers de France (quatrième et dernier fragment). Annales des Sciences Naturelles, Botanique, Septième Série 7: 177-262.
 
Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2015. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 25 August 2015.
 

写真で見る生物の系統と分類真正細菌ドメインシアノバクテリア門

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