クビキリギス Euconocephalus thunbergi
 
作成者:鈴木雅大 作成日:2015年5月30日(2020年5月17日更新)
 
クビキリギス(首切螽斯,別名:クビキリギリス 首螽斯)
Euconocephalus thunbergi (Montrouzier, 1855)
 
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),旧口動物(前口動物)上界(Superkingdom Protostomia),脱皮動物上門(Superphylum Ecdysozoa),節足動物門(Phylum Arthropoda),汎甲殻亜門(Superphylum Pancrustacea),六脚上綱(Superclass Hexapoda),昆虫綱(Class Insecta),有翅亜綱(Subclass Pterygota),新翅下綱(Infraclass Neoptera),多新翅上目(Superorder Polyneoptera),バッタ(直翅)目(Order Orthoptera),キリギリス亜目(Suborder Ensifera),キリギリス上科(Superfamily Tettigonioidea),キリギリス科(Family Tettigoniidae),ササキリ亜科(Subfamily Conocephalinae),コピフォラ族(Tribe Copiphorini),クビキリギス属(Genus Euconocephalus
 
クビキリギリス Euconocephalus thunbergi
 
クビキリギリス Euconocephalus thunbergi
 
クビキリギリス Euconocephalus thunbergi
撮影地: 兵庫県 淡路市 岩屋(淡路島);撮影日:2020年5月17日;撮影者:鈴木雅大
 
クビキリギリス Euconocephalus thunbergi
 
クビキリギリス Euconocephalus thunbergi
撮影地: 兵庫県 淡路市 岩屋(淡路島);撮影日:2019年4月23日;撮影者:鈴木雅大
 

子供の頃,「血吸いバッタ」と呼ばれ怖れられていた種です。口の周りが赤いから血を吸ったように見えるというのが理由だったと思います。著者の周りで咬みつかれた人はいませんでしたし,当時の著者は「バッタは草を食べるもの」と思い込んでいたため,「血吸いバッタ」の噂を最初から信じていませんでした。しかし,実はバッタ(キリギリス)の仲間の半分近くが雑食あるいは肉食であり,クビキリギスの名前の由来は「かみつかれた際に引っ張ると首が取れる = 噛む力が強い」というものだそうで,血を吸うことは無くともかみつかれるとそれなりに痛いようです。

クビキリギスの鳴き声は,中心周波数が11kHz位だそうで,加齢によって聞こえない人もいるそうです。はたして自分はどうなのかと思い,ウェブサイトで動画を見てみたところ,全く聞こえませんでした。一緒に聞いていた家族は皆「聞こえた」とのこと。「もしかしてからかわれているのか?」と思い,音量を上げても全く変わらず,しまいには「うるさい!」と怒られてしまいました。自分だけ聞こえない音があるというのは,何気にショックなもので,老化とはどういうことかを実感しました。

本種の種小名の綴りとして"thunbergi"と"thunbergii"の2通りが見られます。Carl Peter Thunbergに因んだ名前ではないかと思います。植物分類学の分野ではThunbergをラテン語化した種小名は属の性に関わらず"thunbergii"となりますが,動物の命名法は植物の命名法とはルールが異なるケースがしばしばみられるため,動物命名規約では"thunbergi"となるのかもしれません。どちらが正しいのか著者には判断が付かなかったので,本サイトではweb検索でヒット数が多かった"thunbergi"を用いました。

 
参考文献
 
永幡嘉之 文・写真.奥山清市 写真.2017. くらべてわかる昆虫.143 pp. 山と渓谷社,東京.
 
 
写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ オピストコンタ動物界脱皮動物上門節足動物門汎甲殻亜門昆虫綱バッタ(直翅)目キリギリス上科
 
「生きもの好きの語る自然誌」のトップに戻る