ツルヘラグサ Schottera koreana |
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作成者:鈴木雅大 作成日:2020年11月22日 |
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ツルヘラグサ(蔓箆草) |
Schottera koreana M.S. Calderon, T.H. Seo & S.M.Boo in Calderon et al. 2016: 438, 439. Figs 47-52. |
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紅藻植物門(Phylum Rhodophyta),真正紅藻亜門(Subphylum Eurhodophytina),真正紅藻綱(Class Florideophyceae),マサゴシバリ亜綱(Subclass Rhodymeniophycidae),スギノリ目(Order Gigartinales),オキツノリ科(Family Phyllophoraceae),ツルヘラグサ属(Genus Schottera) |
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掲載情報 |
Suzuki et al. 2021: 85-86. Figs 3e-h. |
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Type locality: Daegueulbido, Tongyeong, Korea. (Calderon et al. 2016: 439) |
Holotype specimen: CNU025311 (Chonnam National University) (Calderon et al. 2016: 439. Fig. 47) |
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分類に関するメモ:Suzuki et al. (2021) は,千葉県いすみ市大原と愛媛県松山市高浜町からSchottera koreanaを日本新産種として報告しました。 |
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撮影地:愛媛県 松山市 高浜町 白石の鼻;撮影日:2016年4月9日;撮影者:鈴木雅大 |
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押し葉標本(採集地:愛媛県 松山市 高浜町 白石の鼻;採集日:2016年4月9日;採集者:鈴木雅大) |
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押し葉標本(採集地:千葉県 いすみ市 大原;採集日:2016年4月27日;採集者:鈴木雅大) |
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匍匐茎の横断面*1.0%コットンブルー溶液で染色 |
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葉状部の横断面*1.0%コットンブルー溶液で染色 |
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Schottera koreanaは,Calderon et al. (2016) が韓国で記載した種類です。遺伝子解析と形態観察の結果,千葉県と愛媛県で採集したマサゴシバリ(Rhodymenia intricata)のような紅藻がSchottera koreanaであることが分かり,日本新産種として報告しました(Suzuki et al. 2021)。マサゴシバリとは目レベルで異なりますが,匍匐茎を持ち,そこからへら状の葉を生じる様子がそっくりで,採集時はマサゴシバリの幼体か分枝しない個体だと考えていました。マサゴシバリとは枝がほとんど分枝しないこと,横断面において棘状の毛細胞(矢印)を持つことで区別されます。和名は「ツルヘラグサ(蔓箆草)」としました。ちなみに「マサゴシバリ(真砂縛り)」という和名はどちらかと言えば本種の方が特徴を良く著しており,マサゴシバリと混同していると思われる文献もあることから,「マコトノマサゴシバリ(誠の真砂縛り)」という和名を考えたのですが,多くの知人から「それはないだろ!」とのコメント(お叱り)を頂き,「ツルヘラグサ」に落ち着きました。 |
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参考文献 |
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>写真で見る生物の系統と分類 >真核生物ドメイン >スーパーグループ アーケプラスチダ >紅藻植物門 >真正紅藻綱 >マサゴシバリ亜綱 >スギノリ目 >オキツノリ科 |
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>日本産海藻リスト >紅藻植物門 >真正紅藻亜門 >真正紅藻綱 >マサゴシバリ亜綱 >スギノリ目 >オキツノリ科 >ツルヘラグサ属 >ツルヘラグサ |
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