ウニの人工受精と発生実験メモ

 
執筆:鈴木雅大 作成日:2022年6月14日
はじめに
 
棘皮動物は,脊索動物とともに後口動物(新口動物)のメンバーであり,受精や発生様式がヒトを含む脊椎動物に比較的近い仲間です。中でもウニは,飼育や人工受精の観察が容易なことから「生殖」の実験では欠かせない材料として古くから知られています。現在までに明らかになっている「生殖」にかかわる生物学的メカニズムの多くはウニの実験を通して明らかになったもので,ウニは「生殖」分野のスーパースターと言えるでしょう。
 

著者は海産大型藻類(海藻)の専門家ですが,臨海実習などでは,ウニの人工受精と発生の観察が定番の実験の1つであり,実習のメニューとして実施することが少なくありません。2015年に兵庫県淡路島の実験所に移ってからは,ムラサキウニ(Heliocidaris crassispinaを用いた人工受精と発生の観察を行ってきました。受精からある程度発生が進んだ段階までの初期発生を観察します。初期発生の間には,受精卵が分割して細胞数が増えていき,その過程で様々な機能分化した細胞集団,すなわち個体へと変化していきます。ここでは,ウニの人工受精と,受精や卵割とプルテウス幼生に至るまでの過程を紹介します。

 
実験・観察
 
  1. ムラサキウニの放卵・放精と人工受精まで
 
  2. ムラサキウニの発生過程の観察(プルテウス幼生まで)
 
 
実験・観察の紹介
 
「生きもの好きの語る自然誌」のトップに戻る