アカテガニ Chiromantes haematocheir |
作成者:鈴木雅大 作成日:2018年4月7日(2023年7月29日更新) |
アカテガニ(赤手蟹) |
Chiromantes haematocheir (De Haan, 1833) |
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),旧口動物(前口動物)下界(Infrakingdom Protostomia),脱皮動物上門(Superphylum Ecdysozoa),節足動物門(Phylum Arthropoda),汎甲殻亜門(Subphylum Pancrustacea),軟甲綱(Class Malacostraca),真軟甲亜綱(Subclass Eumalacostraca),エビ上目(Superorder Eucarida),エビ(十脚)目(Order Decapoda),エビ(抱卵)亜目(Suborder Pleocyemata),カニ下目(Infraorder Brachyura),真短尾節(Section Eubrachyura),イワガニ上科(Superfamily Grapsoidea),ベンケイガニ科(Family Sesarmidae),アカテガニ属(Genus Chiromantes) |
撮影地:宮城県 仙台市 宮城野区 中野 うみの杜水族館;撮影日:2018年3月23日;撮影者:鈴木雅大 |
黒いアカテガニ |
撮影地:兵庫県 淡路市 岩屋(淡路島);撮影日:2016年7月10日;撮影者:鈴木雅大 |
兵庫県淡路島でベンケイガニ(Sesarmops intermedius)が多数生息する水路で,黒っぽい色のカニを見つけました。ベンケイガニの黒い個体かと思ったのですが,甲の縁に歯がなく,鉗脚の表面に小顆粒がないことから,アカテガニと判断しました。 |
撮影地:兵庫県 淡路市 岩屋 田ノ代海岸(淡路島);撮影日:2023年7月10日;撮影者:鈴木雅大 |
小さな勇者? |
撮影地:兵庫県 淡路市 岩屋(淡路島);撮影日:2023年3月10日;撮影者:鈴木雅大 |
臨海実習を行っていた時,海水用の長しの中にカニが1匹おりました。学生が採ってきたカニが脱走したものだと思い,学生達に「カニが逃げてる班はどこ?」と尋ねたのですが,誰からも反応がありません。捕まえて良く見ると,そのカニはアカテガニで,実験所の裏の水路に生息していますが,実習を行っている海岸には生息していないはずです。一体どこから来たのかと頭をひねったのですが,長しの排水口の蓋が空いていることに気が付きました。どうやら外の配管から入り込み,排水口を登ってきたようです。かつて,脱走したカニが排水口の蓋を持ち上げ,排水口に入ってしまったことはありましたが(モクズガニを参照),外からカニがやってきたのは初めてです。わざわざ実習中に入ってくるという偶然にも驚きました。小さな勇者とも言うべき侵入者は,実験所の裏の水路に離してやりました。
それにしても,小形とはいえ,カニが排水口から侵入してくるのであれば,ヘビやネズミでも侵入可能と言えるかもしれません。他にも侵入されそうな隙間はたくさんあるので,気にしても仕方がないのですが,念のため備えておこうと思いました。 |
参考文献 |
今原幸光 編著.2023. 新 写真でわかる磯の生き物図鑑.286 pp. 海文堂,東京. |
鈴木孝男・木村昭一・木村妙子・森 敬介・多留聖典 2014. 干潟ベントスフィールド図鑑 第2版.257 pp. 日本国際湿地保全連合,東京. |
豊田幸詞・関 慎太郎 著.駒井智幸 監修.2014.ネイチャーウォッチングガイドブック 日本の淡水性エビ・カニ 日本産淡水性・汽水性甲殻類102種.255 pp. 誠文堂新光社,東京. |
渡部哲也 2014. 海辺のエビ・ヤドカリ・カニハンドブック.104 pp. 文一総合出版,東京. |
WoRMS 2018. Chiromantes haematocheir (De Haan, 1833). Accessed at: http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=444497 on 2018-04-07. |
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