オバクサ Pterocladiella tenuis |
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作成者:鈴木雅大 作成日:2014年4月17日(2023年6月10日更新) |
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オバクサ(小婆草) |
Pterocladiella tenuis (Okamura) S.Shimada, T.Horiguchi & Masuda 2000: 17. |
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紅藻植物門(Phylum Rhodophyta),真正紅藻亜門(Subphylum Eurhodophytina),真正紅藻綱(Class Florideophyceae),マサゴシバリ亜綱(Subclass Rhodymeniophycidae),テングサ目(Order Gelidiales),オバクサ科(Family Pterocladiaceae),オバクサ属(Genus Pterocladiella) |
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* 吉田ら(2015)「日本産海藻目録(2015年改訂版)」における分類体系:紅藻綱(Class Rhodophyceae),テングサ目(Order Gelidiales),オバクサ科(Family Pterocladiaceae),オバクサ属(Genus Pterocladiella) |
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掲載情報 |
Shimada et al. 2000: 13, 16, 17. Figs 4, 5, 10, 13, 16; Shimada & Masuda 2002: 177, 180. Figs 23-30; Boo et al. 2010: 6. Fig. 1 I-L. Fig. 2 E, F; Kim & Hwang 2015: 84-88. Figs 67-69. |
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Basionym |
Pterocladia tenuis Okamura 1934: 48. Pl. 29. Pl. 30, Fig. 3. Pl. 33, Figs 1, 2; 1935: 61. Pl. 336; 1936: 467. Fig. 214. |
Heterotypic synonym |
タオレグサ Gelidium decumbensum Okamura 1934: 46. Pl. 27. Pl. 32, Fig. 7; 1935: 57. Pl. 335. Pl. 336, Fig. 15; 1936: 464; 吉田 1998: 632. Pl. 3-39, Fig. B; Shimada et al. 2000: 17. Fig. 17. (Type locality: 神奈川県江ノ島. Lectotype specimen: SAP herb. Okamura (北海道大学大学院理学研究科植物標本庫 岡村金太郎コレクション)) |
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Type locality: 神奈川県 江ノ島 (Shimada et al. 2000: 16. *Figure legend) |
Lectotype specimen: SAP herb. Okamura(北海道大学大学院理学研究科植物標本庫 岡村金太郎コレクション)(Shimada et al. 2000: 16. Fig. 13) |
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分類に関するメモ:Pterocladiella capillacea, P. nana, P. tenuisをオバクサ(P. capillacea)1種類にまとめる見解もありましたが(吉田 1998など),Shimada et al. (2000)は「オバクサ」を再び3種に分け,それぞれカタオバクサ(Pterocladiella capillacea),チャボオバクサ(P. nana),オバクサ(P. tenuis)としました。Shimada et al. (2000) はタオレグサ(Gelidium decumbensum)をオバクサの異名同種(シノニム)としました。 |
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撮影地:神奈川県 藤沢市 江ノ島;撮影日:2014年4月17日;撮影者:鈴木雅大 |
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撮影地:神奈川県 三浦市 三崎町 小網代 荒井浜;撮影日:2014年5月18日;撮影者:鈴木雅大 |
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撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2019年4月22日;撮影者:鈴木雅大 |
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撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2018年6月14日;撮影者:鈴木雅大 |
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採集地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);採集日:2023年2月22日;撮影者:鈴木雅大 |
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採集地:兵庫県 淡路市 岩屋 田ノ代海岸(淡路島);採集日:2020年7月2日;採集者:鈴木雅大 |
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押し葉標本(採集地:神奈川県 鎌倉市 七里ヶ浜;採集日:2001年4月24日;採集者:鈴木雅大) |
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押し葉標本(採集地:兵庫県 淡路市 岩屋 田ノ代海岸(淡路島);採集日:2020年7月2日;採集者:鈴木雅大) |
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体の横断面 *マクサと比べると糸状細胞が内層の中央部にまとまっている。 |
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オバクサ(Pterocladiella tenuis)は,マクサ(Gelidium elegans)との区別に悩むことが良くあります。典型的な個体であれば,ガサガサした手触りや枝の付け根がややくびれるなどの特徴で区別出来るのですが,どちらとも付かない個体が少なくありません。判断が付かない場合は,横断切片を作製することで区別が可能です。オバクサとマクサの内層部は,大形の内層細胞の周りに糸状の細胞を生じます。横断面の場合,内層細胞は円形または楕円形,糸状細胞は小さな円形としてみられます。オバクサとマクサとでは,内層部に生じる糸状細胞の数が異なり,オバクサでは糸状細胞が多く,マクサでは少ない傾向があるとされています(吉田 1998)。ただ,正直なところ切片を作製しても数の多い少ないの判断は難しいと思っており,著者は,横断面において糸状細胞がまばらに分布するのがマクサ,比較的中央部にまとまって分布しているのがオバクサという基準で区別しています。判断に迷った時は,切片を作製し,内層部を確認するようにしています。 |
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参考文献 |
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Guiry, M.D. and Guiry, G.M. 2014. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. https://www.algaebase.org; searched on 17 April 2014. |
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Kim, H.-S. and Hwang, I.-K. 2015. Algal Flora of Korea Volume 4, Number 10. Rhodophyta: Florideophyceae: Gelidiales, Gracilariales, Procamiales. Marine Red Algae. 140 pp. National Institute of Biological Resources, Incheon. |
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岡村金太郎 1934. 本邦産てんぐさ属及おばくさ属ニ就イテ.水産講習所研究報告 29: 35-53. |
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岡村金太郎 1935. 日本藻類圖譜 第7巻 第7集.東京.*自費出版 |
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岡村金太郎 1935. 日本藻類圖譜 第7巻 第8集.東京.*自費出版 |
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岡村金太郎 1936. 日本海藻誌.964 pp. 内田老鶴圃,東京. |
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吉田忠生 1998. 新日本海藻誌.1222 pp. 内田老鶴圃,東京. |
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吉田忠生・鈴木雅大・吉永一男 2015. 日本産海藻目録(2015年改訂版).藻類 63: 129-189. |
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