ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
作成者:鈴木雅大 作成日:2011年2月6日(2014年12月2日更新)
 
ヒラミルミドリガイ(平海松緑貝)
Elysia trisinuata Baba, 1949
 
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),旧口動物(前口動物)下界(Infrakingdom Protostomia),冠輪動物上門(Superphylum Lophotrochozoa),軟体動物門(Phylum Mollusca),腹足綱(Class Gastropoda),異鰓亜綱(Subclass Heterobranchia),被側区(Cohort Tectipleura),汎有肺亜区(Subcohort Panpulmonata),嚢舌上目(Superorder Sacoglossa),目の所属不確定(Incertae sedis),チドリミドリガイ上科(Superfamily Plakobranchoidea),チドリミドリガイ科(Family Plakobranchidae),ゴクラクミドリガイ属(Genus Elysia
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
撮影地:神奈川県 三浦市 三崎町 小網代 荒井浜;撮影日:2014年5月18日;撮影者:鈴木雅大
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
撮影地:神奈川県 三浦市 三崎町 小網代 荒井浜;撮影日:2010年4月27日;撮影者:鈴木雅大
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
撮影地:神奈川県 三浦市 三崎町 小網代 荒井浜;撮影日:2011年5月19日;撮影者:鈴木雅大
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
理由は分かりませんが,大型の個体がより小さい個体を攻撃する様子が見られました。
 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
ミルの体上に産み付けられた卵塊
 
ミル(Codium fragileなどの緑藻(アオサ藻)を食べて,その葉緑体を細胞内である程度の期間維持し,光合成をさせるという盗葉緑体現象 (Kleptoplasty) がみられるウミウシの仲間です。ミルを採集すると一緒に着いてきます。また,ミルの体上に渦巻き状に産み付けられた卵を見る事も出来ます。

海藻の専門家である著者は,「ヒラミルミドリガイ」という名前から,「緑藻類のヒラミル(Codium latumに着くミドリガイ」と解釈してしまい,本種を採集するためにヒラミルを探しに行ったことがあります。けれども,本種をヒラミル上で見つけたことは一度もなく,かなり後になってから,「平たいミルミドリガイ」という意味だと理解しました。ただ,「ミルミドリガイ」という種類のウミウシはいないため,本種の和名には未だ疑問が残ります。

 
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata
ミルの体上に生息していたウミウシ類3種
 
神奈川県三崎で採集したミルの体上を丹念に探したところ,本種,クロミドリガイ(Elysia atroviridisミドリアマモウミウシ(Placida dendriticaの3種のウミウシが見つかりました。いずれも盗葉緑体を持っています。大型のヒラミルミドリガイはまあまあ良く見つかりますが,他の2種はうっかりすると見落としそうになります。これらのウミウシの盗葉緑体は,光合成をする以外にミルに擬態する役目もあると考えられます。
 
参考文献
 
Bouchet, P. 2012. Elysia trisinuata Baba, 1949. Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=494478 on 2013-04-27.
 
伊勢優史 執筆・撮影,赤坂甲治 監修. 2013. 三崎の磯の動物ガイド 第2版. 168 pp. 東京大学大学院理学系研究科附属三崎臨海実験所,神奈川.
 
奥谷喬司 編著. 1994. 海辺の生きもの. 367 pp. 山と渓谷社,東京.
 
小野篤司 監修,加藤昌一 編. 2009. ネイチャーウォッチングガイドブック ウミウシ 生きている海の妖精. 272 pp. 誠文堂新光社,東京.
 

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